節分の思い出




節分の日。

家庭では主に父親が鬼役を努め(我が家では常に僕の役目)、
その年の恵方を向いて巻き寿司を食べる日本古来の行事。
この日が近くなるとスーパーで鬼の面と一緒に
豆を売っているのが目につく。
そして僕に懐かしい事を思いださせる。

小学3年の時の豆まきの行事の事。
各クラスから鬼役を選んで教室でしました。
僕は運良く鬼役になることはなくていじめっ子が
この役になったときには日頃の恨みも込めて
ここぞとばかりに全力でぶつけてやりました。
もう鬼さながらにです。
そのあとパロスペシャルかけられて死にかけましたけどね。

こんな僕にも同じクラスに好きな人がいてたんですよ、名前はY美ちゃん。
笑顔が可愛くて髪の毛さらさらストレートでクラスでも人気の女の子。
はっきりいって高望みです。
ま、そこあたりは片思いの特権で思うだけなら
オタクヒエラルキー最下層の僕にも権利はあります。

あれは後片づけをしていたときだったかな?
僕は見てしまったのです。
4人ほどのグループの中にいたY美ちゃんが
豆を鼻に入れて飛ばし合いをしているのを。それもダブルで。

かなりぐらつきましたがなんとか踏みとどまったのですよ。
しかし、これでトドメです。

センセ〜、Y美ちゃんが耳に豆を入れて取れなくなりました〜

なにを思って耳に豆を入れたかは定かではないです。
もしかして耳抜きの勢いで豆を飛ばす気だったのかな?
確かにカラダはった大技だけどさ、


そんなの飛ぶわけないじゃん。


泣きながら先生と病院へ行ったY美ちゃんの顔は今でも忘れられません。



鬼とともにどこかに行ってしまった淡い恋心のお話です。




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